平塚市民病院 充実のプリセプター制度によって新人を技術・精神面から支援

病院DATA

開設/
1968年10月
病床数/
416床
職員数/
532名
診療科目/
内科、精神科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、救急科、歯科、麻酔科

募集要項・エントリーはこちら

22もの診療科を抱え、神奈川県・湘南地域の中核病院となっている平塚市民病院は、二つの取り組みによって新人ナースを育てている。一つは教育プログラムで、各段階に応じた細かい訓練や研修を実施。もう一つはプリセプター制度で、新人ナースの気持ちがわかる入職3年以上の先輩がマンツーマンでの技術面・精神面のサポートを行うことで、確実に「できる」ナースを育てている。

集合研修とプリセプターで新人を育てる

プリセプター経験がすでに2回目となるTさん
「先輩たちのような"完璧な看護師"になりたい」と語るYさん

「安全で信頼される医療を提供すること」を病院の基本方針の一つに掲げている平塚市民病院。その実現のためにはスタッフの教育が欠かせないため、入職期間やレベルに応じてさまざまな院内研修などを実施しているが、新人ナースの教育の核となっているのが、「集合研修」と「プリセプター制度」だ。

集合研修は、入職したばかりで精神面の不安を抱える新人に対し、まず環境に順応してもらうために1週間のオリエンテーションが実施され、1カ月・3カ月・6カ月・1年目にフォロー研修を行いステップアップを図っていく。とくに、4~6月の各月に実施される「基礎技術訓練」は新人看護師たちに「とても役に立つ」と高い評判を呼んでいる。

輸液ポンプ、トランスファ、褥瘡管理とスキンケア、心電図モニタ、12誘導心電図、血糖値測定、逝去時の対応など、今後の看護業務に欠かせない技術や知識をより実践的に身につけられるように配慮されているのが特徴だ。それと同時に進行するのが「プリセプター制度」である。入職3年以上の先輩看護師が各新人看護師に付き、マンツーマンで指導していく。1年間の「技術チェックリスト」によって技術面の指導を行っていくのはもちろんのこと、精神面でも積極的にフォローすることで不安を解消し、次のステップへと誘う。

プリセプターの質は新人看護師に大きな影響を与えるため、プリセプターは事前に指導者としての心構えや役割などを学んでおり、新人看護師たちも安心して指導を受けることができる。また、指導をより客観的に判断するために、毎月1回「プリセプター会」が開かれ、病棟の各プリセプターや師長などが参加して情報交換を行い、そこでさまざまな意見が交わされることで、問題点を修正したり新人看護師のよりよい教育方針が話し合われている。

毎年、新人看護師には「成長ノート」が渡される。そこには新人看護師が技術的・精神的な悩みや相談を書き込むが、それに対し、指導係のプリセプターだけでなく、病棟のさまざまな先輩看護師が意見を書いていく。その先輩方からの言葉の数々に励まされ、新人たちは成長していくという。
プリセプターだけでなく、病院全体として新人を見守っていく。それが平塚市民病院の教育の柱となっている。

大きな挫折体験も先輩の言葉が励みに

Tさんに点滴のチェックをしてもらうYさん

新人看護師とプリセプターは、どのように日々かかわり合っているのだろうか。プリセプターとなったTさんと新人看護師のYさん。TさんとYさんは1月にペアを組んだばかりで、それまではそれぞれ別々のプリセプティ、プリセプターだった。

Tさんは入職4年目で、今回が2回目のプリセプター経験だったため落ち着いて対応することができたが、新人看護師のYさんは不安の塊だった。「実習と違い、自分がする処置にすべて責任が伴ってきますから、自分のやることにいつも不安を抱えていました」。

大きな挫折はすぐにやってくる。入職1カ月のとき、リスクの高い術前の患者さんの点滴の滴下量のチェックを忘れてしまい、担当医師などから強く叱責を受けたのだ。「ナースセンターで泣きじゃくり、看護師に向いていないのではないかと辞めることも考えました。そんなとき、プリセプターの方が相談に乗ってくれて、看護師を続けていこう、と思うことができました」。

また、プリセプターと自由な意見を書き込む成長ノートも大きな救いとなった。ミスを繰り返して落ち込んでいると、「私の新人のときはそうだった。ミスをしないように振り返り、今後どう対応していくかを考えることが成長につながる」と記されてあった。「私のなかでは『プリセプターは完璧な人』というイメージがあったのですが、そんな人でも新人のときは私と同じだったんだと、勇気づけられました」。

プロの対応に脱帽見えてきた目指すべき道

入院患者さんのリストを手に、一つひとつチェック項目を確認するTさんとYさん

プリセプターのTさんは「『何も知らないで患者さんにかかわることは怖いこと』を、知ってもらいたい」と語る。「以前外科病棟にいたのですが、そこではちょっとした見落としが重大な結果を招きやすいことを学びました。急変の前には必ず兆候があり、それが副作用によるものなのか、急変の兆候なのか、といったことを判断できるためには、知識がないといけません」。Tさんはそういったことをプリセプティに知ってもらう手助けをきめ細かくしていったという。「『調べておいて』と本人にやらせるのも方法ですが、新人はどう調べていいのかわからないもの。そこで調べる方法を教えたり、医師の記録を見て、この薬がなぜ今投与されているのかという『根拠』を教えることを心がけました」

プリセプティのYさんには忘れられない光景がある。患者さんが急変したとき、プリセプターがテキパキと指示を出し、バイタルサインを確認するなど、的確かつ冷静に対応していたことだ。それはまさに"プロ"の対応だった。「スゴいなと思いました。私はどう対応していいのかわからずにあたふたしているだけでしたから」

Yさんの目標は、そうした先輩たちと同じような技術をもち、同じような指導ができることだ。「悩みを聞いてくれることで私は本当に助かっています。そんな頼れる先輩になることが理想です」

募集要項・エントリーはこちら