2018年就職:TOP > 東京慈恵会医科大学 附属病院(本院)(小澤 かおりさん) | 看護部長インタビュー 2018年度

THE LEADING NURSE

SPECIAL TOPIC 1 看護部長インタビュー [トップが語る学生へのメッセージ]

SPECIAL TOPIC 1

[トップが語る学生へのメッセージ]
看護部長インタビュー

ナイチンゲールの教えを基盤に、
患者さんやご家族の立場に立った
看護を実践

東京慈恵会医科大学 附属病院(本院)

看護部長

かおりさん

医師と看護師が両輪となり、
患者さんを支える風土

貴院の果たす役割と特徴を教えてください。

 当院は東京都港区という都心における特定機能病院としての役割を担い、最先端の医療を提供すると同時に患者さん一人ひとりを大切にし、「この病院に来てよかった」と思われる病院を目指しています。
 近年は、2020年開催のオリンピック・パラリンピックに向けて開発が進むなかで、港区の人口も増えています。外国人の患者さんも増える傾向にあるため、長期的な視野に立ってグローバルに対応できる体制づくりにも取り組んでいます。語学研修や海外との交換留学なども積極的に実施。よい伝統を引き継ぎながら、新たな挑戦を行っています。
 当院の特徴は、看護の専門性を尊重してくれる風土が根づいていることです。医師も協力的でチーム医療においても、看護師が中心となり看護の力を発揮しています。まさに医師と看護師が車の両輪となり、患者さんの治療だけでなく不安や悩みにも寄り添いサポートしています。

慈恵の看護理念の背景にあるものと、貴院が継承している思いは何でしょうか。

 慈恵大学では、F.ナイチンゲールの教えである「一人ひとりの患者さんの持てる力を最大限に引き出すこと」を継承し、生活の質と向上を図っています。患者さんやご家族の価値観や夢を共有し、その実現に向けた退院後の生活をサポートしています。これは4病院共通の看護の基盤となっています。
 当院の看護部では、患者さんの心のありようを感じ取り「声なきを聞き、形なきに見る」力を備え、実践できることを目標としています。
 看護師は他者を支援する仕事であり、患者さんの頭の中に何が描かれているか洞察する力が重要です。これは看護の神髄ともいえる部分で、私たちが大切にしていることです。
 たとえば、ベッドに差し込む陽光が気持ちいいと感じている患者さんに「天気がいいですね」と患者さんと目線を一緒にして、その気持ちを共有します。そうして患者さんとの関係性を築きながら、苦悩や悩みを引き出し、その思いを感じ取ることを実践しています。患者さんの心、身体、社会関係、これまで生きてきた日々を知るなど、五感を使って患者さんを見つめることが看護師には求められます。相手の立場に立つことの必要性を、さまざまな場面で学んでいきます。

貴院の看護教育が目指すものを教えてください。

 基礎看護技術においては、「看護の技と頭づくり」を同時に行い、科学的に思考する力と技を習得します。1年目の早い時期から、患者さんの事例を想定し、なぜその看護が必要か判断力を養っていきます。技術の習得はもちろんですが、五感を使って患者さんを観察していく力を身に付けることに重点をおきます。そして1年後には3〜4例の事例検討を行い、ディスカッションを繰り返し重ねることで看護の質を向上させていきます。
 2年目以降は、さらにナイチンゲール理論を深め、人間観、自然観、健康観などの看護理論を学びます。そして3年間で一人前の看護師として自律することを目指します。

心身ともに健康であり、
看護に情熱を持った人に期待

資格取得へのサポートも充実していますね。

 当院には、5領域7名の専門看護師と18領域30名の認定看護師が在籍しています。医師をはじめ多職種と連携を図り横断的に活動し、患者さんの早期回復やQOL向上に努めています。
 大学院進学や認定看護師、助産師資格取得を希望する方には、慈恵独自の国内留学制度により、業務から離れて就学でき、留学手当の支給を受けて資格取得に専念できる環境があります。自分自身の目標を明確に持つやる気のある方には、全面的にサポートする体制が整っています。また、スペシャリストだけでなくジェネラリスト、管理者など、個々の目標に応じたさまざまな道を用意しています。キャリアに対する考え方は変化するため、変更することも可能です。

ご自身も大学院へ進学されましたが、そのきっかけは何だったのでしょうか。

 自分がどう看護部に貢献していくか考えたとき、教育に携わりたいと思いました。そのためには研究を学ぶ必要があると感じ進学を決意し、尊敬していたナイチンゲール理論の教授がいる大学院に通いました。大学院では、ひとつの物事を考えるとき、一部分でなく全体構造を見る視点を養いました。そこでの学びは現在も役立っています。

貴院の求める人物像をお聞かせください。

 求める人材は、まず心身ともに健康が第一。看護師が元気でないとよりよいケアを提供できません。そして看護に情熱のある人です。当院は教育体制も充実しているので、知識や技術は入職してから学べる環境があるので安心です。

学生さんへのアドバイスをお願いします。

 学生時代は授業を大切にしてください。今、学んでいることが、すべて将来につながっていきます。看護師は人とのコミュニケーションが大切な仕事です。さまざまな経験を積み、人間関係の幅を広げておくことも必要です。
 東京慈恵会医科大学には当院のほか、第三病院、葛飾医療センター、柏病院がありますが、それぞれが地域に密着した看護を提供しています。インターンシップに参加して雰囲気を確認し、自分に合った病院選びをしてください。希望すれば異動も可能ですし、自分の目指す看護が実現できる環境があります。
 2020年には、新しい外来棟と新病院である周産期センターがオープンする予定です。助産師の活躍の場も広がりますし、新しい病院の土台づくりに参加してほしいと思います。

東京慈恵会医科大学 附属病院(本院)

[住所]〒105-8471 東京都港区西新橋3-19-18

Profile プロフィール

おざわ かおり

1983 年東京衛生学園専門学校を卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院に就職。2006 年から仕事と両立しながら宮崎県立看護大学大学院に通学。08 年に同大学院博士前期課程修了。09 年附属柏病院看護部長、12 年4 月より附属第三病院看護部長を経て、16 年4 月より附属病院(本院)看護部長。

現場に勤務していたときは、亡くなった患者さんに何もできない空しさを感じ、辞めようと思ったこともあるという小澤さん。しかし悲しむだけでなく、経験を次につなげることが大切だと学んだ。現在は、スタッフが抱える問題を一緒に乗り越え支えている。