板橋中央総合病院(IMSグループ) 新人の不安を安心に変える働きやすい環境が看護へのモチベーションを高める

患者さんに常に笑顔で接することを心がけているNさん。その持ち前の明るさはスタッフへも浸透している

病院DATA

開設/
1956年3月
開設者/
医療法人社団明芳会
病床数/
579床
診療科目/
内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、リハビリテーション科、形成外科、リウマチ科

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IMSグループの中心的役割を担うとともに、地域中核の急性期病院である同院は、予防からリハビリまでの総合医療を行っている。看護部の理念は「優しさと思いやりをもって看護にあたる」。知識や技術とともに、患者さんに対する心を大切にした看護の実践を目指し、安心して働ける環境と充実したサポート体制のもとで、一人ひとりの看護師が確実に成長している。

同期との絆を深める「ほっとする時間」

「安心して働ける。だから成長できる」。これは板橋中央総合病院が掲げるキーワードだ。同院の「安心して働ける」環境とはどのようなものか紹介していこう。

新人看護師にとって、まず不安に感じるのが技術の習得。同院では、個々のペースに合わせたクリニカルラダー方式やステップ型の技術フォローなど、新人をサポートする充実した教育環境を整えている。技術フォローは、詰め込み型のプログラムではなく職場への適応に合わせて段階的に、そのときに困っていることを抽出した内容となっている。

そして、それ以上に力を入れているのが精神面のフォローで、そのひとつが「ほっとする時間」。これは、日常の緊張した勤務から離れ、新人に落ち着ける時間を持ってもらう目的で3年前から導入したもの。新人研修期間の3カ月間、週に1回、同期の仲間とジュースやお菓子を食べながら、個々の看護実践での悩みや社会人としての悩みなどを自由に話せる時間を設けている。仲間と悩みや不安を共有し共感できることで仲間意識も生まれ、看護への意欲も高まっている。

先輩のアドバイスが成長の一歩となる

実際に、このような取り組みのなかで過ごした新人看護師の1年を振り返ってみよう。昨年入職したNさんは現在、婦人科病棟に勤務する看護師。この1年間を次のように話す。「入職直後は、プリセプターとのマンツーマンの指導のもとで指導を受けました。プリセプターとシフトが違うときにも病棟の先輩スタッフにすぐに聞ける環境があったので、不安はありませんでした。先輩が新人の成長をしっかりと見てくれていることが心強かったですね」

このように不安や疑問をひとりで抱え込まないよう、病棟スタッフ全員が新人を支える環境が整っている。

婦人科病棟は婦人科系疾患だけでなく、脳神経外科、消化器科などほかの疾患を抱えている患者さんも多い。疾患に関する知識も求められるため、定期的に疾患や処置に関する勉強会も開かれている。「勉強会もシミュレーション形式で行われるので、イメージしやすかったですね。先輩からは丁寧に指導を受けられるので、わからないこともすぐに解決でき、実践に結びつきました」

Nさんの成長を見守ってきたH看護師長は、次のように語る。「当院では、成長のペースは個人差があるので、あせらず確実に技術を習得できるよう一人ひとりに合わせた教育を行っています。Nさんもスタッフの指導のもとで、大きく成長したひとり。看護師にとって大切な笑顔を忘れず勤務する姿は、患者さんはもちろん、ほかのスタッフにもいい影響を与えていると思います」

婦人科に入院される患者さんは、特に精神面のサポートが重要となる。その方の不安や悩みに耳を傾け、声かけを行うことも看護師の役目だが、患者さんへのサポートも個々に応じた対応が必要なことも自らの体験から学んだという。「以前、切迫流産でお腹のなかで赤ちゃんが亡くなった方に対して、声かけをしなければとあせっていたところ、先輩から“話しかけなくても、そばにいることが大事なときもある”とアドバイスを受けました。患者さんには段階に応じた接し方が大切なことを痛感しました」

常に新人のそばで見守り、状況に応じたアドバイスを与える先輩スタッフが、新人たちを育てていく。

仲間との連帯感があるからチームワークよく働ける

先輩たちの指導はもちろんだが、同期の仲間とのつながりも大きかったとNさんは振り返る。「特に研修期間中の“ほっとする時間”は、入職直後の緊張した現場から解放されて、何でも話せたのでリフレッシュできました。他病棟の人と話すことで、同じ不安を抱えていることで安心したと同時に、お互いに励まし合い、乗り切ることができました」

H師長は、「ほっとする時間」の成果を次のように話す。「新人には、安心して楽に成長してほしいという思いがあります。そのために、個々のペースに合わせた教育や“ほっとする時間”を設けるなど、精神面のサポートを重視しています。こうした取り組みにより、2009年度の新人離職率はゼロとなっています。働きやすい環境があれば看護師も生き生きと働けるし、それが結果として患者さんのためにもつながることを実感しています」

同院が大切にする仲間づくりに欠かせないのが、数々のイベントの開催だ。仕事は全力で打ち込むが、プライベートは気持ちを切り替えて遊ぶという考えが、職員にも浸透している。

入職後の職員旅行には、新人看護師、研修医、他職種のスタッフと、250名にも及ぶ大旅行が実施された。これだけの集団が、ともに行動できるのは強い連帯感があるからにほかならない。このほかにも、法人合同学会、ボウリング大会、運動会、キャンドルサービスと、年間を通じて、さまざまなスタッフとの交流の時間を用意している。

友情を育むさまざまなイベントは、各現場にも反映され、強固なチームワークが生まれているとNさん。「院内イベントは、同期とのつながりだけでなく、他職種の方とも仕事以外でもコミュニケーションを深められるいい機会でした。皆、楽しくリフレッシュしています。オンもオフも安心できる環境があるので、本当に働きやすさを感じています」

一人ひとりのスタッフを大切に考えた教育環境や職場環境。こうした同院のさまざまな取り組みにより、Nさんをはじめ新人たちは伸びやかに成長している。安心して働ける環境のなかで、「ほっとするから、もっと頑張れる」という気持ちが個々のなかに芽生えているようだ。

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病棟の同期の存在が大きかったというNさん。お互いに悩みを共有し、励まし合えたことで信頼関係も築けたという。カンファレンスもスムーズに行っていく

各病棟には薬剤師が配置されていて、薬剤に関する知識を学べるとともに、疑問もすぐに解決できる環境がある

輸液管理は、患者さんの全身影響を及ぼすため、薬剤の調製、投与など、さまざまな知識と技術が求められる。ミスが許されないため、Nさんも、真剣に確認を取りながら実施していく

一人ひとりのペースに合わせた指導を受けられたので、あせることなく着実に業務をこなせるようになったというNさん